大船・フラワーセンター
Ofuna


 松竹大船撮影所
  大船というと、先ず思い出すのが大船の観音様(1960年完成)であろうか。東海道線で下ると、大船駅のすぐ右手に観音様の上半身が目に入る所である。
  そして、次に思い出すのが、松竹の大船撮影所である。つい最近まで、ここで実際に、「寅さん」や「釣りバカ日記」などの撮影が行われていたが、今はそっくり地元の学校法人に売却されてしまった。
  この写真(左)は1997年に行った時のものである。テーマパーク(松竹シネマワールド)であったが、赤字のため閉鎖された。
芍薬(しゃくやく)園
  今回は、写真仲間4人で県立フラワーセンター大船植物園にやってきた。丁度、芍薬と薔薇が盛りとのことで、雨の中ではあるが多くの人が来ていた。
  この植物園は、神奈川県の農業試験場の跡地に1962年(昭和37年)に、県内の観賞植物の生産振興を図るために開設されたもの。広さは63,883平方mもある。園内の植物は約5700種とのことであった。   
シャクヤク
   しゃくやく園には200品種2000株が栽培されている。シャクヤクは、この植物園の中心にもなっており、既に大正時代から、ここで改良育成されている由。これから咲く花菖蒲と共にこの植物園の目玉ともなっている。
  シャクヤクは、奈良時代に薬用として大陸より渡来したが、その後観賞用としても栽培されるようになった。薬用として使用されるのは根で、鎮痙(ちんけい)、鎮痛効果がある。 
  また、西洋では過ちを犯した妖精が不面目を恥じて、シャクヤクの陰に隠れたため、花が赤く染まったとされ、花言葉は「恥じらい」となったそうである。言われて見れば、左上の写真などは何となく恥じらいが感じられるようになるから不思議である。
薔薇(ばら)園 
  しゃくやく園の手前がばら園になっている。全部で360種の薔薇が咲いているというから立派なものだ。生憎の雨模様であったが、花弁に多数の水滴が付き、写真が見応えのあるものとなっている。 
  バラは栽培が容易で、また花が見事なため、各地で盛んに栽培されている。バラの葉は、今でも香料としても利用されている。
  何よりも歴史のある花であり、聖書のアダムとイブの話は有名であろう。エデンの園を追放される時、イバラの道をわけていくと書かれている。このエデンの園(バビロニア付近)は、バラの原産地に近いそうだ。
  日本の文献では、万葉集の防人(さきもり)歌に、すでに登場している。「うまら」(棘に似た字、漢字が変換出来ない)という花だ。また古今和歌集でも紀貫之が「さうび」と歌い、ともに中国より渡来したコウシンバラを指すという。
  バラの花はいろんな色と形のものがあるが、私は左の黄色で、これから満開となる一歩手前の写真が好きである。盛りの来る前の清楚な美しさが漂い、何となく乙女(未通女)を感じさせるからであろうか。
  写真家の秋山庄太郎氏も、晩年にはバラに魅せられ、バラの写真に拘っていた。その写真展が横浜のデパートで催され行った事があるが、見事なものであった。
  バラの花は、人を惹きつけるものも持っている。また、「美しい花には棘がある」の代表でもある。  
鑑賞温室
  開園30周年を記念して立て替えられたのが、ここの「鑑賞温室」で、熱帯・亜熱帯の花の綺麗な植物が約200種楽しめる様になっている。
  中に入ると高温多湿の為かメガネが曇ってきた。オーストラリア園、そして鑑賞温室と続いている。こことは別に栽培用の温室も出来ている。
熱帯性すいれん
  原産地はアフリカ、インド等で、熱帯地方のもの。多くの園芸品種が作られているが、一つの花の寿命は4日程度とか。次々と開花するため、温度さえ管理されていれば一年中綺麗な花を見ることが出来るとのことであった。
  その他、花壇や芝生広場もあり、入場料も安い(350円)ので、手軽にリフレッシュ出来る処となっている。



ルート

 
JR東海道線 大船
〜(徒歩16分)大船フラワーセンター
〜芍薬園〜薔薇園〜温室

歩行 2時間

休憩所・駐車場

駐車場 133台 有料

トイレ・休憩所 あり

0305/0308

悠々人の日本写真紀行 Part1 全国版
Part 1
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