渡良瀬遊水池
WataraseGawa Yuusuichi


渡良瀬遊水池
  栃木県藤岡町の半分以上を占めているこの広い荒れ地(33ku)は、かつては水害の常襲地であった。足尾鉱毒事件でも名が知られ、この荒れ地の中にあった谷中村は北海道に強制移住させられた所でもある。
  今では、遊水池として大分整備されているが、私が車で訪れた時は、未だ原野と言っても良いほどの荒れ放題であった。 
  自然堤防の上より、遊水池と反対側(利根川と渡良瀬川の間)を見た田園風景である。この辺は、標高が17mしかなく、あちこちに、河跡湖や、大小の沼が点在している。
  渡良瀬川は、栃木県を流れる思(おもい)川や、巴波(うずま)川がここで合流している。そして、この遊水池のすぐ南側(古河)で、今度は利根川に合流している所で、いかにも洪水の多そうな地形となっている。  
  この藤岡から埼玉県の加須にかけての低地は、もともとが、川が自由に曲がりくねって流れていたところである。そして、洪水を避けるため、部落が至る所に残っている自然堤防の上に作られていた。
  また、この辺は関東平野のど真ん中と言った感じで、地平線が見えるような、広大なところとなっている。この辺に来る度に、関東平野の広さを実感するところでもある。  
  あちこちに点在する沼は、地元の人に利用されている。大きな河跡湖は、釣り堀になっているところもある。
  藤岡には、この沼で良く獲れるナマズを用いた天ぷら屋がある。私の親父が好きで、ここを車で通るとき良く立ち寄って買ったものだ。白い身の魚で、揚げたては淡泊ではあるが、なかなかの味である。
  渡良瀬川の源流は、栃木県足尾山地の庚申山(1892m)となっており、利根川の最大支流となっている。  
  小春日和の休日は、こんな太公望が、あちこちの沼で釣りを楽しんでいる。鯉や、鮒、鯰なんかが狙いだ。
  私も小さいとき、親父に連れられ、この辺の沼へ釣りに行ったことがある。冬は、大きな石を投げて、表面に張った氷を割って、釣りを行ったものだ。


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悠々人の日本写真紀行 Part1 全国版
Part 1
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