大中寺参道 上田秋成の「雨月物語」は溝口健二監督、京マチ子、田中絹代主演で映画化され、ベネチア映画祭で銀獅子賞を受賞したことで有名になった。この本は、9編の短編からなっているが、その中で「青頭巾」の舞台となった寺が今回訪れた大平町富田の大中寺である。 大中寺は真言宗の寺として、久寿元年(1154年)創建されたが、荒れ放題となっていたのを、延徳元年(1489年)に曹洞宗の快庵禅師が再興したものだ。 |
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大中寺・油坂 青頭巾の物語は、その快庵禅師が近くを通りかかった時、この寺の前の住職が鬼となって、墓を暴いて屍(しかばね)を食べると云う話を村人から聞き、自分の被っていた青頭巾を住職にかぶせ、諭したが改心出来ず、最後は青頭巾と骨だけが残ったというものだ。 そんな舞台となったこの寺は、大中寺の七不思議として今でもいろいろな伝説が残されている。 |
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本堂 油坂は、学僧が本堂の油を盗んで追われ、この石段から転げ落ち亡くなった。以来この石段を上り、下りすると災いが起きるという事で、現在は通行禁止となっている。 その他、不開(あかず)の雪隠(せっちん、トイレ)、枕返しの間(目が覚めると反対側を向いていた)、不断のかまど(学僧がこの中で亡くなった)、根無し藤(鬼の墓)、東山一口拍子木(ひがしやまひとくちひょうしぎ)、馬首の井戸等が現存し、一つ一つ説明されている。 |
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不開の雪隠 戦に破れ、土地の武将(佐竹小太郎)が、この寺に逃げ込んだが、かくまってくれなかったので、、愛馬の首を斬って井戸に投げ込み、自らもそこで切腹して果てた。 その後を追って奥方も逃げ込んできたが、夫の死を知ると、この雪隠で自害してしまった。以来ここに入ると、奥方の生首が出ると云った怪異が続いたので、封印し開けることが出来ないようにしたと云う。流石に建物は半ば朽ちかけているので、その外側には屋根が作られていた。 |
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馬首の井戸 今でも時折、馬のいななきが聞こえてくると云う。前述の雪隠はこの井戸のすぐ手前にある。 この井戸の左手が太平山(おおひらさん、341m)への登山道となっている。この後、今回は本堂の左手の登山道を晃石山(てるいしさん、419m)に向かった。大中寺は中学の時に何回か来たことがあったので、懐かしかった。 |
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ルート JR両毛線 大平下下車 東北高速 佐野藤岡ICまたは栃木IC 〜大平下〜大中寺〜晃石山 歩行時間 2時間 |
駐車場 大中寺境内 30台 無料 休憩所、トイレ 大中寺境内 |
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