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旧山陰道 37

石見・江の川〜江津・30郷田宿




30郷田宿


江の川河口





山陰道30番目の宿場・郷田(ごうだ)は
この江の川(ごうのがわ)河口の左岸に発達した町だ

郷田(現江津市江津本町)は、東西に陸路の旧山陰道が貫き
海路からは北前船、そして江の川廻船の船着場として栄えて来た

郷田の船着場には江津口番所が設けられていた

江の川は中国地方第一の大河で
源流は広島県北部の畳山(たたみやま、1029m)である
近世、たたら製鉄と結びついて水運が栄えたところである

古代(延喜式)には、この川のやや上流の右岸の
江津市松川町大田に江東(こうとう)駅
そして左岸、江津市金田町千金(ちがね)に江西(こうさい)駅があった様だ

共に渡河地点で、船で渡った
「人丸渡し」と呼ばれていたところである


(島根県江津市)



江津工業地帯





江の川河口の砂丘地帯は、昭和17年以降は
製紙、パルプ、化学等の工場が進出し、すっかり工業地帯となっている


(島根県江津市)


江津・山陰道





江津市内を走る、現在の山陰道(国道9号線)である

バイパスが出来ているせいか、車は少なかった


(島根県江津市)


江津町並





江津は、字のごとく、大きい川の港の意である
江の川の渡津(としん)集落で郷津とも呼ばれていた

近世は、江の川流域の物品の集散地として
河岸には廻船問屋や、倉庫が立ち並んでいたという

残念ながら、今はその面影は薄いが、古い建物が残されていた


(島根県江津市)



江津商店街




大正10年(1921年)、JR山陰本線が開通以来
船運が衰退し、市街地はJR江津駅前に移動してきた


(島根県江津市)



JR江津駅




JR山陰本線と、三江(さんこう)線が乗り入れている駅だ
三江線は、江の川の沿って、広島県の三次駅に到る全長108kmの鉄道である


(島根県江津市江津町)



山陰道




山陰道(国道9号線)は、この先でJR山陰本線の左側となり
石州瓦の産地、江津市津野津(つのづ)町に入る

津野津は海岸段丘の上にある町で
南部は良質の粘土層のある丘陵で、その粘土を使った石州瓦が有名だ

500年の歴史を持つ赤瓦で、耐寒性、耐久性に富み
山陰はもとより山陽、近畿でも多く利用されている

また、江戸中期から明治にかけて、中国地方一円で活躍した
衣料行商の津野津商人の故郷としても知られているところだ


(島根県江津市)

(0804/0806)


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略 図

経路 青線部











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