旧長崎街道 3
筑前・黒崎宿〜JR黒崎駅〜岡田神社
筑前・黒崎
黒崎宿東構口、海蔵庵
豊前の城下町小倉を抜けて、筑前に入り、長崎街道最初の宿場・黒崎宿に入る
その入口にあるのが海蔵庵で、黒崎宿東構口(かまえぐち)があった
長崎街道では宿場の入口は構口と呼ばれていた
番所を設け役人が常駐し、通行人に監視をしていた
海蔵庵は寺伝によると、延喜年間に聖武天皇が九州巡幸の際
ここに立ち寄り一宇を建立したのが始まりとのこと
黒崎、木屋瀬、飯塚、内野、山家、原田が筑前6宿(むしゅく)で
その一つ目がここ黒崎宿である
黒崎は、明治中期以降はセメント、化学、電機等の工場が臨海部に出来
JR黒崎駅の南側には元の宿場町を中心に商業地区が形成され、
小倉に次いで北九州市第2の商業中心地となっている
(福岡県北九州市八幡西区田町)
光円寺
真宗本願寺派光円寺
明応2年(1493年)創建とのこと
その後、衰退していたのを黒崎城城代であった井上周防守が
元和2年(1616年)に再興したとのこと
筑前・黒崎城はこの寺の背後の道伯山(62.5m)山頂にあった
(2枚目写真の右奥)
関ヶ原の合戦の功により、黒田如水、長政親子が筑前52万石として入封し
慶長6年(1601年)から福岡城の築城を開始すると同時に
ここに豊前の押さえとして支城黒崎城を築造した
城代として家老の井上之房が2万石で入城したが
元和元年(1615年)に、幕府の一国一城令により廃城となった
今は城山公園となっているが
本丸跡の東側に土塁と石垣の一部が残されている
(福岡県北九州市八幡西区田町)
旧長崎街道、JR踏切
旧長崎街道は、ここで再びJR鹿児島本線の踏切を渡り、
線路の南側に出る
線路の南側がかつての黒崎宿の中心であった
(福岡県北九州市八幡西区田町)
JR黒崎駅
踏切を渡ると、右手にJR黒崎駅がある
黒崎駅は鹿児島本線、筑豊本線(福岡ゆたか線)の駅だ
明治24年に開業している駅である
また、駅舎に近接して筑豊電気鉄道の黒崎駅前駅もある
地元では筑電(ちくでん)と呼ばれている
黒崎と筑豊直方を結ぶ電車だ
西日本有数の筑豊炭田を通る電車であった
(福岡県北九州市八幡西区黒崎)
黒崎宿・人馬継所跡
旧街道に復帰する(1枚目写真)
JR鹿児島本線の踏切を渡ると右手に黒崎宿人馬継所跡がある(2枚目写真右)
五街道で言う問屋場である
人足や馬が常備されていたところだ
(福岡県北九州市八幡西区藤田)
春日神社
左手丘の上に春日神社
古くからあった鳥野神社を
神護景雲年間(767から770年)に、武甕槌命 経津主命を合祀して鳥野春日神社となった
黒田長政が黒崎城を築いた後
城代の井上周防之房が、慶長9年(1604年)に、ここに移し今に到っている
黒田長政の霊をここに祀ったことから
黒田宮とも呼ばれている
ここの地名は八幡西区藤田であるが、隣の紅梅は
古代大宰府路の独見駅(ひとみえき)のあったところである
この辺一帯は古くから栄えた町であった
(福岡県北九州市八幡西区藤田)
黒崎宿代官所跡
長崎街道を下ると、右手に寛永15年(1638年)に設置された代官所跡碑があった
なお、3枚目写真は、後ろを振り返った写真であるので、石碑は左側に写っている
(福岡県北九州市八幡西区藤田)
黒崎宿案内板
広い通りを斜めに横断すると、旧街道はアーケード(上市くまで通り)となっている
此処彼処に長崎街道黒崎宿の看板が目立った
1枚目の写真は、旧黒崎宿の案内板であった
坂本龍馬、西郷隆盛、吉田松陰、シーボルト、伊能忠敬、
平賀源内、黒田長政などのイラストを描いてあった(2枚目写真)
この長崎街道黒崎宿を通った歴史上知られた人達だ
(福岡県北九州市八幡西区熊手)
旧長崎街道・アーケード
旧長崎街道の黒崎宿の中心街である
今でも、活気ある大きな商店街であったが
シャッターを閉じている店も目に付いた
(福岡県北九州市八幡西区熊手)
興玉神
熊手通りの一画に興玉神
祭神は猿田彦命で、日向高千穂峰降臨の際の道案内であった
古くから街道や村境を守り、福を招く神として崇敬されていた
(福岡県北九州市八幡西区熊手)
旧長崎街道プレート
アーケドの中の足元のタイルには
長崎街道を歩くカピタンの行列が描かれたプレートが埋め込まれていた
長崎の出島のオランダ人一行がここを通って江戸まで参府したのだ
カピタンとはオランダ商館長のことである
カピタン行列は、江戸時代に166回もあった
因みに18回の琉球使節、12回の朝鮮通信使に比べると
桁違いの多さであった
約3ヶ月かけて長崎、江戸間を往復したという
(福岡県北九州市八幡西区熊手)
岡田神社
岡田神社(上写真)は、古事記にも記されている古社で
黒崎宿の産土神であった
この辺が黒崎の西の出口(西構口)付近である
この先の撥川を渡った所で直角に左(南)に曲がり
曲里の松並木を経て、そのまま南に向かうと次の宿場・木屋瀬宿となる
(福岡県北九州市八幡西区岡田、熊手)
0806/0810