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旧奥州街道ぶらり徒歩の旅 9

20喜連川宿〜内川





さくら市

20喜連川宿



荒川に架かる連城橋を渡ると、旧奥州街道20番目の宿場、喜連川である
喜連川は那珂川支流の荒川と内川の合流点の塩那丘陵にある城下町、宿場町だ

本陣1、脇本陣1、旅籠29軒であった

地名は荒川を狐川と称した事による
鎌倉時代から木連川、そして喜連川と書かれるようになったようだ

最近では喜連川温泉の町として知られている
町おこしの一環として掘削を行い、昭和56年に温泉が湧水した
未だ新しい温泉である

荒川の北岸にある町営の温泉となっており
保養センターや国民宿舎、かんぽの宿も出来ている

写真左側の店は創業300年の和菓子屋「たなかや」だ
名物「喜連川温泉まんじゅう」に「きつねもなか」と看板に書いてあった

「温泉」に「きつね」と、新旧極端なネーミングが面白かった


(栃木県さくら市喜連川)


足利公菩提寺、龍光寺



足利尊氏の開基と伝えられる寺だ
江戸期には喜連川藩主足利家の菩提寺であった
境内の奥に、喜連川藩主歴代の廟所が残されている


(栃木県さくら市喜連川)



喜連川神社



永禄6年(1563年)、塩谷15代兵部大輔惟朝(源惟朝)が
尾張国津島の牛頭天王宮の分霊を勧請して創建した

喜連川神社は、塩谷氏、喜連川氏代々の崇敬の社であり
喜連川他、15郷の総鎮守であった

境内には、高塩背山と若山牧水の歌碑が建っている
背山は地元出身の歌人で牧水と親交があり
牧水も3度この地を訪れているという

「時をおき 老樹の雫 おつるごと しづけき酒は 朝にこそあれ」
と牧水の歌が刻まれている
如何にも酒と旅の歌人らしい、いい歌だ

なお、高塩背山の歌は
「かぜとよむ 桜若葉のあひだより 残れる花の ちるはさびしき」


(栃木県さくら市喜連川)



喜連川城址







喜連川城は、 義経に従い屋島や壇ノ浦で活躍した塩谷五郎惟広(これひろ)が
源頼朝からこの地を与えられ、蔵ヶ崎城を築いたのが始まりである
以後塩谷氏は17代まで続いた

安土桃山時代に秀吉により、古河公方の子孫、足利国朝が配置された
江戸時代には5000石の喜連川藩となったが
名家足利家として、10万石の格式の大名として遇された

3枚目の写真は再現された大手門である

この辺一帯は「お丸山公園」として整備されている
2枚目写真の右肩に見える塔は喜連川スカイタワーで
高さ40mの展望台となっている


(栃木県さくら市喜連川)


街の駅本陣




大正15年に建てられた元喜連川警察署だ
大正期の警察庁舎で、現存するのは全国でも数箇所しかないとのこと

今は、店舗とコミュニティルームとして利用されている
1階では、喜連川商工会(まちづくり委員)の有志が
軽食喫茶店「蔵ヶ崎」を営んでいる

写真中央(玄関前の黒い部分)に、喜連川独特の自噴井戸がある
喜連川が塩那丘陵(喜連川丘陵とも)の先端にあり
被圧地下水の層があり、そこから自噴しているものだ

「街の駅本陣」とあるので、調べてみると
江戸時代、ここに喜連川宿の小野本陣があった処であった
喫茶店名の「蔵ヶ崎」は、旧城名からきている


(栃木県さくら市喜連川)


慈光寺




真言宗智山派慈光寺、北関東三十六不動尊霊場の
第21番札所(雨乞不動尊)となっている

開基の時期は不祥であるが、元は矢板にあったようだ

この境内にも、地元では「突抜き井戸」と呼ばれる自噴井戸がある
地面を掘っていくと、水が自然に噴出するので、そう呼ばれているようだ


(栃木県宇さくら市喜連川)


台町追分





喜連川宿場の外れの台町追分(現台町交差点)だ

左は塩谷喜連川線(県道74号線)で、旧奥州街道はここで右折である
正面の道は旧奥州街道の新道(バイパス)だ

この辺は古くからの大きな建物が多く残されている
上の写真は、たかしお薬局である

「たかしお」と言うと、喜連川神社にあった歌碑、高塩背山と姓が同じである
親戚かもしれない


(栃木県さくら市喜連川)


旧奥州街道






台町の追分を右折し、すぐ左折となる
クランク型になっている、典型的な旧街道の枡形である

街道は緩い下り坂となっている
街道脇の掘割には綺麗な水が流れていた


(栃木県さくら市喜連川)


内川・金竜橋






やがて、内川に架かる金竜橋を渡る

下の写真は、下流を見た写真だ
矢板市の高原山を源流とする川で、この先で荒川に合流している


喜連川宿を後にして、次の21番目の宿場・佐久山に向かう


(栃木県さくら市喜連川)
0904/0905


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略 図

経路青線部 距離 1.52km











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