日本写真紀行
多摩川写真紀行

野川・お鷹の道
Nogawa、Otakanomichi、Tamagawa 
野川・不動橋
  多摩川の二子玉川付近の兵庫島の所で合流している川が野川である。今回はこの野川の源流付近に行ってみた。
  JR中央線の国分寺駅を下車して、都立の殿ヶ谷戸(とのがやと)公園を左にみて、国分寺街道の方に下ると程なく野川に架かるこの不動橋に出る。
  野川の源流はこの付近の国分寺崖線(がいせん)と呼ばれる崖(昔は「はけ」と呼ばれていた)より湧出し水が集まり野川となっている。
お鷹の道
   野川の定説は無いが、「武蔵野の川」が「野の川」、そして「野川」となったようだ。地元の人は、古くから「おお川」と呼んでいたとのこと。
  5万分の一の地図では、野川の源流はここより少し北西側(約600m)の東恋ヶ窪で、日立の中央研究所の敷地内となっている。
  今回はお鷹の道を辿り、この橋の西側の同じ国分寺崖線にある「真姿(ますがた)の池湧水群」と呼ばれている源流を訪ねてみた。 
真姿の池湧水群よりの小川
  野川に架かる不動橋を渡り右に折れると、お鷹の道と呼ばれる小川沿いの道がある。この小川は真姿の池湧水群の水を集めた綺麗な流れとなっている。蛍も生息しているとのことであった。
  道の名前の由来は、この辺一帯が江戸時代、尾張徳川家の御鷹場に指定されていたことから、この小川沿いの道が「お鷹の道」と呼ばれるようになったとのこと。今は遊歩道として綺麗に整備されている。
  この辺は、木陰が多く、古い民家も残り、都内とは思えない景観となっている。写真の家も立派な門構えの家であった。
  この小川やお鷹の道は今でも地元の人に利用されている生活用水であり生活道路となっている。国分寺の駅より、ゆっくり歩いて、30分ほどの所である。駅前の喧騒が信じられないくらい静かなところだ。
  ここから5分ほど川沿いを歩くと、真姿の池湧水群に着く。
  野川の湧水地は調べてみると、何と67ヶ所もあり、その中で、最も多いのが前述の日立研究所内で、毎分1940リットルで、次がこの真姿の池湧水群の1050リットル/分となっている。参考までに、3番目は野川公園の605リットル/分となっていた(東京都環境保全局、東京の湧水より)。 
  なお、日立研究所内の湧水群は、春と秋の施設公開日には見学可能との事であった。
真姿の池湧水群
  この湧水群は、都内では青梅市の御岳渓流と共に「お鷹の道・真姿の池湧水群」として、環境省の「名水100選」にも選定されている。
  真姿の池の名の由来は、嘉承(かしょう)元年(848年)、不治の病に苦しんだ玉造小町が、病気平穏祈願のため、近くの国分寺を訪れ、21日間参詣すると、一人の童子が現れ、小町をこの池に案内し、この池の水で身を清めるようにと云って姿を消したのと事。  
  早速試した所、病は癒え、元の美しい姿に戻ることが出来たことから、「真姿の池」と呼ばれるようになった由。
  真姿の池湧水群は、東京都指定名勝となっており、さらに東京都の名湧水57選にも選ばれている。

小川沿いの無人の野菜売り場

  付近の農家が、地元で採れる新鮮な野菜を売っていた。代金は備え付けの料金箱に入れてくれとのこと。
湧水池
  標高差15m位の崖(はけ)から綺麗な水が湧出している所だ。ペットポトルを持参した地元の人が、代わる代わるここで、水を汲んでいた。ただ、生水は飲まないようにとの注意書きが出ていた。
  この崖に作られた階段(写真左上部)を登った所が国分寺万葉植物園となっている。隣接して国分寺市文化財保存館があり、石器や縄文土器や古文書等が展示されている。
弁財天
  真姿池の中央にある島には弁財天が祀られている。周囲の池が真姿の池と呼ばれているところだ。
  弁財天は、音楽、弁才、財福などを司る女神。元はインドの河神で、安芸の宮島、近江の竹生島(ちくぶしま)、相模の江の島、陸前の金華山が五弁天として有名である。いずれも、水に関係している神である。
真姿の池
   この後、武蔵国分寺跡、国分寺、黒鐘(くろがね)公園、武蔵台遺跡公園を経て、府中街道沿いの史跡通り(旧鎌倉道)を西国分寺駅に向かった。
   ウォーキングに丁度良い距離の爽やかな周遊コースであった。



ルート

 
JR 国分寺駅〜野川不動橋
〜お鷹の道〜
真姿の池湧水群〜国分寺
〜武蔵国分寺跡〜黒鐘公園
〜武蔵台遺跡公園
〜史跡通り〜西国分寺駅

歩行合計 1時間30分

休憩所・駐車場

駐車場 なし
 
トイレ・休憩所 なし
(国分寺跡にトイレあり)

0310/0404/0507

悠々人の日本写真紀行 Part1 全国版
Part 1
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