悠々人の日本写真紀行

旧東海道五十三次 ぶらり徒歩の旅(16)

8大磯宿〜国府津
Hanamizuhashi − Ooiso


立場(たてば)

宿場と宿場の間にある休憩所
茶屋が開かれていたので「立場茶屋」ともいう
また、立場が集落を形成するようになると「間(あい)の宿」と呼ばれた

血洗い川
  大磯宿の滄浪(そうろう)閣を抜け、しばらく行くと、右側に血洗川という恐ろしい名前の川と平行して歩くことになる。
  大磯城山公園に遮られ、川は左に大きく曲がり、東海道をここで横切って相模湾に流れ込んでいる。血洗川に架かる東海道の橋名は、切通橋となっている。
  この写真の左手の血洗川沿いに旧吉田茂邸がある。裏には立派な銅像が建っている。今は、大磯プリンスホテルの別館になっている。
  橋の欄干には大きく血洗川と書いてあるので、気になり調べてみると、室町時代の戦で、小磯(こいそ)城の兵士がここで傷口や刀を洗ったと伝えられている。
大磯城山公園
  血洗川の側、JR大磯駅と二宮駅のほぼ中間にこの県立大磯城山(じょうやま)公園がある。
    文明9年(1477年)、山城であったここ小磯城(大磯では無い)に、長尾景春(かげはる)の彼官であった越後五郎四郎が立て篭もり、太田道灌の軍勢と戦い、落城したとの記録が残っている。
     この公園の左手にある西長(せいちょう)院には、化け地蔵で知られた身代り地蔵がある。頚部と胸部に継ぎ目があり、辻斬りに遇った旅人の身代わりになったからとのこと。  
城山公園展望台
  県立の大磯城山公園は、明治以降旧三井邸の別邸「城山荘」があったところだ。その「城山荘」を模した大磯郷土資料館が公園内に作られている。
  この展望台からは、丹沢山塊や箱根連山、そして相模湾が一望できる。広大な公園内には、前記郷土資料館の他、もみじの広場、ひかりの広場、ふれあい広場と整備されている。
  今回は、ここで大休止とした。見晴らしと潮風が心地よかった。
六所神社
  大磯城山公園で休憩した後、城山を下り、20分ほど歩くと右手に六所神社の鳥居がある。平安時代末期、近くに国府が置かれたため、六所神社は相模国の総社となった。
  今でも5月5日には、国府祭(こうのまち)が行われ、一の宮寒川神社、二の宮川匂(かわわ)神社、三の宮比々多(ひびた)神社、四の宮前鳥(さきとり)神社、五の宮平塚八幡宮の神輿がここに集まり、裏の神揃山(かみそりやま)の座問答(一宮と二宮との上座を争う座問答)や鷺(さぎ)舞などの神事が行われている。  
葛川・塩海橋 
  なお、六所神社とは、その国の国府またはその付近に神社6所を合祀した神社の意である。東京の府中市の大国魂(おおくにたま)神社が有名。
  六所神社を出て、葛(くず)川に架かる塩梅(しおみ)橋を渡ると、二宮の町並みに入る。
  二宮町は、文字通り相模二宮の川匂神社があったことに由来している。江戸中期には、平塚小田原間の立場、梅沢の茶屋として発展したところだ。
  二宮の町名は昭和10年に町制施行で、吾妻(あずま)村から改称されたもので、新しい地名である。
堀切坂一里塚跡
  旧東海道はここから国道1号線と別れ、左手の坂を登る細い道となる。分岐点に江戸より18里(72km)と記された一里塚跡がある。
  この先の信号を右折すると、二宮である川匂神社がある所だ。
  この分岐より坂を登ったところが、梅沢の立場(休憩所)のあったところである。    
松屋本陣跡
  押切坂の頂上付近の民家の庭先に真新しい松屋本陣跡の標識があった。二ノ宮教育委員会の建立とある。さて、二宮に本陣跡?と一瞬疑問に思った。
  宿場以外に旅籠があるはずが無いからである。後で調べてみると、ここは立場であった。従って、宿泊用では無く、休憩用の本陣跡であった。
  確かに、押切坂の頂上付近で、休憩したくなる様な地形である。現在の東海道は、この右手下の切り通しを通っている。
堀切坂道祖神
  押切坂を下ると坂道の途中に可愛らしい道祖神があった。旧東海道がまた現東海道と合流するところである。
  写真の上部の車が走っている道が現東海道である。
押切川
  押切坂を下って、押切橋より袖ヶ浦を見た写真である。道の左側がすぐ海となっている。しかし、海と東海道の間には高速道路(西湘バイパス)が走っているため見晴らしは良くない。  
小田原市前川
  押切橋を渡り、少し歩くと箱根連山が目に飛び込んできた。これからあの箱根峠を超えると思うと、ファイトの湧いてくるところである。
  この辺にも松並木が残されている。大分日が傾いてきたので、今日の徒歩の旅は、ここで中断し、JR国府津駅より帰宅した。
  なお、国府津の地名は、かつて相模国の外港であったことに由来している。もとの足柄郡国府津村で、昭和29年に小田原市に編入された。  
国府津駅前
  JRの国府津駅入口の交差点である。左の信号の前の標識には日本橋より78kmと書いてある。
  我ながら、ここまで良く歩いてきたものだ、と思った。



ルート
 
大磯宿滄浪閣
〜血洗川〜大磯城山公園
〜六所神社〜押切坂
〜押切川〜国府津

歩行距離 8.82km


休憩所・トイレ

県立大磯白山公園
小田原市前川公園

名 物

鮮魚・干物

大玉柿
シーズン中は城山公園直売所で販売


 

平塚宿 目次 大磯宿〜国府津

0411/0506/1505
Hitosh


歩行略図

大磯宿滄浪閣〜国府津
歩行 青線部
( 8.82km )








街道写真紀行 TOP


悠々人の日本写真紀行

北海道|東北|関東|中部|近畿|中国・四国|九州|沖縄他


Hitosh